米証券取引委員会(SEC)は、投資ファンドに関する情報開示規則において、デジタル資産の定義を先送りしている。約9か月前に提案されたものの、現時点では正式な承認がなされていない。
5月3日に公表された「フォームPF」改訂版は、SECに登録されているファンドによる基本情報開示の手段であり、規制当局が潜在的なシステムリスクを評価するために使用される。当初の提案では、デジタル資産の定義を含める予定だったが、現状では定義が示されていない。
昨年の提案で示されたデジタル資産の定義は、「分散型台帳やブロックチェーン技術を使用し発行・移転される資産」であり、「仮想通貨」「コイン」「トークン」なども含まれていた。しかし、現在の改訂版ではその定義は見送られている。
新たな「フォームPF」は、ファンドに対しシステムリスクや投資家への損害を示す可能性のある重要イベントの報告が求められている。また、ファンド手数料や経費の詳細な開示も要求されている。
SECは一貫して暗号資産に関する定義を避けているわけではなく、例えば「暗号資産取引所」の定義を見直し、分散型金融(DeFi)を含める可能性があるとしている。同委員会のゲーリー・ゲンスラー委員長は、暗号資産は証券であり、多くの暗号資産プロジェクトが証券法に違反していると主張している。