巨大資産運用会社と世界最大級の仮想通貨取引所が手を組む
暗号資産取引所「バイナンス(Binance)」と、運用資産約235兆円を誇る大手資産運用会社「フランクリン・テンプルトン」は2025年5月10日、戦略的パートナーシップを締結したことを発表しました。
本提携の目的は、ブロックチェーン技術を駆使して、伝統金融(TradFi)と分散型金融(DeFi)のスピード・透明性・アクセス性を融合し、次世代の資本市場インフラを構築することにあります。
トークン化された有価証券への期待と可能性
この提携では、フランクリン・テンプルトンが持つ「規制準拠のトークン化技術」と、バイナンスが有する「グローバルなトレーディングインフラおよび投資家基盤」とを掛け合わせ、新たなプロダクトとソリューションの共同開発を進めていくと発表。
今後は、投資家に対して優位性のある利回りや効率的な決済手段を提供することで、金融市場の透明性・アクセス性・効率性の向上に貢献するとしています。
なお、協業に関する詳細および新プロダクトのローンチについては、年内に改めて正式発表される予定です。
「脅威ではなく機会」——フランクリン・テンプルトンの視点
フランクリン・テンプルトンでイノベーション部門を統括するSandy Kaul氏は、今回の提携に対し次のようにコメントしています。
「我々は、ブロックチェーンを従来型の金融インフラに対する“脅威”ではなく、“再構築の機会”と捉えています。バイナンスとの協業により、当社のBenji Technology Platformを通じて、より広範な投資家層に革新的なソリューションを届けられると確信しています。」
国内での影響にも注目
フランクリン・テンプルトンは、米国でビットコイン(BTC)およびイーサリアム(ETH)の現物ETFを展開するなど、Web3に積極的なプレイヤーとしても知られています。
また、米国政府短期証券に投資する「FOBXX(米国政府マネー・ファンド)」の運用に、自社トークン「BENJI」を活用している点でも注目されており、すでに実用フェーズにある“トークン化ファンド”を展開中です。
さらに2023年7月には、SBIグループとの共同出資会社設立に向けた条件合意書を締結しており、日本市場でも仮想通貨ETF導入への布石を打っています。
今後の展望:TradFi × Web3 の本格接続フェーズへ
今回の提携は、DeFiやトークン化を“脅威”として距離を置いてきた従来金融が、Web3を“活用すべきインフラ”と認識しはじめたことを象徴しています。
トークン化の波がETF、短期債、資産運用の現場にまで広がりつつある中、フランクリン・テンプルトンとバイナンスの協業が、金融の未来にどのような変化をもたらすのか——年内発表予定の新プロダクトにも注目が集まります。


