プロトレーダー向けのNFT(非代替性トークン)電子市場「Blur」が、P2P無期限レンディングプロトコル「Blend」を開始しました。この新サービスは、従来のDeFi(分散型金融)よりも10倍高い金利を提供し、NFTの流動性向上を目指します。
Blendは、大手ベンチャーキャピタル「Paradigm」の従業員らと開発されました。ユーザーは、NFTなどの任意の担保を預けることで、暗号資産(仮想通貨)を借りることができます。サービスの名称は、「Blur Lending」の略です。
ホワイトペーパーによれば、Blendの目的は、「非代替担保を預ける借り手」と「競争力のある金利を提供する貸し手」をマッチングすることです。このサービスの背景には、人気NFTコレクションの価格高騰があります。住宅購入におけるローンと同様、NFTを担保として資金調達が可能になることが期待されています。
Blendの開発は段階的に進められます。まずは固定金利の貸付サービスが提供され、次に変動金利に対応する予定です。固定金利の貸付サービスでは、貸し手が特定の数量のイーサリアム(ETH)を金利設定のもとオフチェーンで取引をオファーし、借り手がNFTコレクションを担保にオファーを選択します。その後、NFTの担保の預け入れとイーサリアムの送金がオンチェーンで実行されます。
貸し手が取引を終了したい場合、ダッチオークションを通じて他の貸し手を見つけることでポジション継続が可能です。オークションが成立せずに貸し手が引き継がれない場合は、貸し手に担保が送信されます。
Blendは既にローンチされ、3つのNFTコレクションに対応しています。例えば、CryptoPunksのNFTを保有している場合、最大で42ETH(1,050万円相当)まで借りることができます。これにより、NFT市場の活性化が期待されます。
Blendの導入により、プロトレーダーや一般ユーザーにも、NFT市場への参入が容易になります。また、担保としてNFTを活用することで、従来の資産に依存しない金融取引の拡大が見込まれます。さらに、NFTの流動性向上により、市場の透明性と安定性も向上するでしょう。
今後、さらに多くのNFTコレクションに対応することが予定されており、その適用範囲が広がることで、NFT市場全体の成長が促進されます。また、固定金利から変動金利への対応も、利用者にとって選択肢が増えることに繋がります。
このような新しいサービスがNFT市場にもたらす変化には注目が集まっており、今後の展開が大いに期待されています。Blendは、NFT市場の新たな担い手として、その流動性向上と活性化に大きな役割を果たすことが予想されています。