最近、厳しくなる暗号資産の規制に対抗するため、企業が新たな拠点を模索しています。その中で注目されるのがバミューダです。バミューダ首相デビッド・バート氏は、クリプト業界と共に成長することを目指し、規制環境の柔軟さをアピールしています。
米国最大の暗号資産取引所Coinbaseは、規制強化の中、バミューダで新たなライセンスを取得し、オフショア派生取引所を開設しました。しかし、Coinbaseは現在、米国証券取引委員会(SEC)との法的な闘争の最中であり、規制問題は決して簡単には解決しないことを示しています。
一方、FTX崩壊後にクリプト業界規制を強化する動きを見せているバハマと比較し、バミューダは規模が小さいため、クリプト産業全体を受け入れることには課題があるとの指摘があります。しかし、バート氏はバミューダがクリプト業界の一部を引きつけることができれば成功と捉えています。
しかしながら、米国市場へのサービス提供を目指す企業にとっては、新たな管轄区域への移転が全てを解決するわけではありません。結局のところ、米国の規制当局との協力なしには、米国の顧客へサービスを提供することは難しいのです。この観点から、規制環境の厳しい米国から逃れるための「規制ヘブン」を求めて海外への移転を考える企業も多いですが、それが必ずしも最善の解決策とは限らないことを理解することが重要です。